柴犬に必要なおしりのケア、肛門しぼりってなんのこと?
「柴犬のおしり事情を調べていて、定期的に肛門腺を絞らないといけないことを知った。
でも実際肛門腺しぼりってどういうものなのかは全然分からないから知りたい。」
こういった疑問に答えます。
◾本記事の内容
1.肛門腺しぼりってなんのこと?
2.肛門腺しぼりのやり方を覚えよう
3.肛門腺しぼりを行なう頻度
こんにちは、ユタカ(@titlemaker_ytk)です。
僕は14年間柴犬を飼っていました。
愛犬をお医者さんに連れて行ったときに肛門腺を絞る必要性とやり方を教わり、素人でも出来るようになったため、その経験を基にお話ししていきます。
1.肛門腺しぼりってなんのこと?

1-1 「肛門腺」とは
肛門腺というのは、犬のおしりにいくつもある小さな穴のことをこう呼びます。
肛門はひとつしかありませんが、肛門腺は肛門のまわりにいくつも存在します。
肛門腺からは犬特有のフェロモンを分泌して、うんちに自分の匂いをつけます。
なぜ、犬はうんちに自分の匂いをつけるかというと、
それは自分のナワバリを主張するためです。
自分のナワバリを周りに伝える手段としては、マーキングも同じ役割がありますね。
犬は、視力が良くありません。
その分、鼻がよく効き、犬は周りの情報を匂いで嗅ぎとる習性があります。
例えばですが、ほかのおうちのわんこに遭遇すると、愛犬同士はあいさつの代わりに匂いを嗅ぎ合います。
これは、目で見える情報よりも匂いで嗅ぎとる情報のほうが犬にとって大事だからなんです。
犬同士が匂いを嗅ぎあうときに、どこの匂いを嗅ぐのかというと、それがおしりなんです。
実は、肛門腺から分泌されるフェロモンが犬の中でもいちばん匂いがつよく、その子特有の匂いがするんです。
だから、犬はおしりの匂いでお互いの自己紹介をするわけです。
余談ですが、犬同士の中でも上下関係というものがあります。
じつは仲よさそうに犬同士がじゃれあっていても本当はどちらかが偉そうな態度を取っていたりします。
もちろん、対等な関係もたくさん存在するので、飼い主さんがそこまで気にする必要はありません。
偉い犬は、相手のおしりの匂いを一方的に嗅ぎます。
逆に敵意がないことを示す犬は立ち止まり、相手が匂いを嗅ぎおわるのをじっと待ちます。
これは「私はこういうものです。あなたに敵意はありませんよ」と抵抗せずに伝えるために行なっています。
一生懸命に相手のことを知ろうとしている、かわいらしい光景に見えますが、じつは匂いを嗅ぐ犬の方がマウントを取ろうとしているんです。
1-2 肛門腺を「しぼる」ってどういうこと?
肛門腺から分泌されるフェロモンは愛犬の身体で常に生成されています。
通常であればうんちをするときに一緒に出て行きます。
でも、ときどきフェロモンを一緒に出すのが苦手な子がいます。
うんちと一緒に出すことができないと、フェロモンは愛犬の肛門嚢という場所にどんどん溜まっていきます。
肛門嚢は、肛門の左右に1つずつあり、フェロモンが溜まるとこの肛門嚢がパンパンに膨れ上がります。
肛門嚢が膨れ上がると炎症を起こし、最悪の場合、肛門腺が破裂する肛門腺炎という病気になってしまいます。
そのため、フェロモンを出すのが苦手な子のために、肛門嚢に溜まったフェロモンを飼い主の手で絞り出してあげる必要があります。
この作業を「肛門腺しぼり」と呼びます。
2.肛門腺しぼりのやり方を覚えよう

2-1 肛門腺しぼりのやり方
肛門腺しぼりのやり方は簡単です。
肛門の左右を絞るように押し出すとフェロモンが出てきます。
このフェロモンの名前は「肛門嚢液」もしくは「肛門腺液」と呼ばれます。
注意点としては、フェロモンの匂いはとてもくさいです。
色も茶色い液体なので、必ずティッシュを何重にも重ねて肛門腺しぼりを行なうようにしましょう。
作業自体は数秒で終わらせることが出来ますが、可能であれば2人でやるようにしましょう。
ひとりは愛犬が動かないように抑えてあげます。
そしてもう一人は左手で愛犬のしっぽとおしりを抑えてしぼるときにフェロモンが飛び散らないようにしましょう。
液体自体は数mlしかでないので、最悪飛び散っても大変なことにはなりませんが、実際かなりくさいので注意して行なうようにしましょう。
2-2 最初はお医者さんにやり方を教わろう
ここまで肛門腺しぼりのやり方を紹介してきました。
しかし、やったことがない飼い主さんは、必ずお医者さんのやり方を実際に目で見て、
やり方を教わった上でやるようにしましょう。
その理由は、犬の肛門がデリケートな部位だからです。
力加減を誤ると飼い主自身の手で肛門嚢を傷つけてしまう恐れがあります。
また、それ以外の理由として愛犬に肛門腺しぼりを行なう必要があるのかを判断してもらう必要があるからです。
健康な犬は基本的にうんちの時に必要な分のフェロモンを出し、必要な分だけ分泌して溜め込みます。
なので、肛門腺しぼりをやる必要がない子も多いです。
むしろ、必要がないのに頻繁にやってしまうほうが愛犬の身体を傷つける原因となりますので、やったことがない飼い主さんはお医者さんに相談した上で判断しましょう。
3.肛門腺しぼりを行なう頻度

僕の愛犬ゴエモンの場合は、1ヶ月に1回、もしくは2ヶ月に1回程度の頻度で行なっていました。
しかし、肛門腺しぼりを、生まれたての子犬の頃からやっていたかと言うと、そうでもありませんでした。
実際に愛犬に肛門腺しぼりをしてあげるようになったのは、5歳頃からです。
そのきっかけは愛犬がフェロモンを肛門嚢に溜め込みやすい子だったことをお医者さんに教えてもらったからです。
お医者さんに別の用事で連れて行った時に、肛門腺しぼりのやり方を教わりました。
愛犬が5歳のころに肛門腺しぼりを教わり、10歳頃まで月に1回程度行なっていました。
老犬になってからはフェロモンの分泌量が減ったのか、気づけば肛門腺しぼりを行なわなくなりました。
ときどきお医者さんに相談をして、肛門腺をしぼるべきなのか確認するといいです。
要点まとめ

今回は柴犬のおしり事情とそのケアとして、肛門腺しぼりについて紹介しました。
今回の肛門腺しぼりの記事と合わせて読んでいただきたいのが、
愛犬が自分のおしりを舐める現象について紹介している「愛犬がおしりを舐めるのはなぜ?【良くない症状がおきています】」です。
愛犬がおしりを舐める原因と肛門腺しぼりには密接な関係がありますので、ぜひ読んでみてください。
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